チドリミドリガイは、
どんな遺伝子を盗んだのか?を
調べてみると、光合成に必要な遺伝子を
発見することはできませんでした。

そして、チドリミドリガイの
背中側を開いてみると、
鮮やかな緑色をしていました。
これは、細胞内に取り込まれた
葉緑体の色であったのです。

チドリミドリガイの
食事の様子をとらえた映像では、
チドリミドリガイが藻を食する時に
藻が持つ葉緑体を食べることで
藻の能力を盗んでいるのです。

通常、葉緑体だけでは
数日しか光合成ができないのですが、
チドリミドリガイは、盗んだ葉緑体で
長いと10ヶ月は光合成を行います。

そこには、チドリミドリガイが
光合成を行っている部位で、
抗酸化作用があるタンパク質を
作り出す遺伝子等が
たくさん働いていることが分かりました。

通常、葉緑体は過剰な光を浴びると
活性酸素を作り出し光合成に必要な物質を
破壊してしまうのですが、チドリミドリガイは
活性酸素が作り出された際に、
抗酸化作用のあるタンパク質を使って
必要な物質に害が及ぶのを防ぐのです。

こうしてタンパク質をうまく働かせて
光合成に必要な物質を長持ちさせている
という仮説が考えられています。

(→分かっているようで、
実は、まだ分かっていないようですね)

光合成は葉緑体でおきますが、
葉緑体はたくさんの部品から構成される
非常に複雑な装置になります。

(→現代の科学では、葉緑体を
再現することはできていないのでしょうねー)

このような複雑なマシンを作るためには
たくさんの遺伝子が必要になります。
また、それが正常に働くためには
さらにたくさんの遺伝子が必要になります。
遺伝子を1つずつ改変して
進化させていくというのに比べると
丸ごと出来上がったもの(葉緑体)を
盗んでくる方が非常に
手っ取り早い例になります。

 

 

 

 

つづく…