つづき

 

青年は、
落としたネギはそっちのけで、
食べることに夢中になっている。

青年「これ何ですか?美味しいですね」

私「良かったね(そんな事よりネギ拾えよ!)」

落ちたネギが、
気になって
気になって
仕方がない私は、

「(コイツ、いつ拾うんだろうか?)」

と、考えながら、敢えて落とした
ネギには触れずにいた。

青年は、そんな
私の気持ちなど微塵も察知することなく
食い気の方が優先したようで、
運ばれてきた料理を次から次へと
物色しはじめた。

普段の青年の言葉使いや
行動では分からなかったが、
育ちの悪さが伝わってくる。

青年は、最近アルバイトをはじめて
22歳というだけで、
他の情報は何も知らなかった。

テーブルに落ちっぱなしの
束になったネギを横目に
自分も食べながら、

青年が、どんな環境で
人生を送ってきたのか?
色々と聞いてみることにした。

家族のこと
学生時代のこと
趣味のこと
友達のこと
普段は何しているのか

運ばれてくる料理をつまみながら
次から次へと聞いてみた。

 

 

つづく…