定期的によく会う22歳の青年と2人で
飲みに行くことになった。

青年とは、よく会うが、
22歳というだけで
他の情報は何も知らない。

青年は、美味しい焼き鳥が食べたいという。

はじめて一緒に卓を囲む人には
教えたくない自分の中の名店だが、
行きつけの串焼き屋に
案内することにした。

約束の当日、
待ち合わせ場所に向かう途中、
自分が22歳の頃を思い出していた。

大学にもろくに行かず、
空手で強くなることだけしか
考えていなかった頃である。

練習のし過ぎから
左膝に違和感を覚えて
内視鏡で手術を受けたのも
確か、この頃のような気がする。

自分の22歳の時も
大したことをやっていない記憶に、

今時の22歳は、自分のときと
どう違うのか?
ある意味、複雑な心境で
待ち合わせた場所に向かった。

合流して、店に突入!

愛想の良いマスターが
快く迎え入れてくれる。

私「好きなモノ、どんどん頼みなよ」

青年「ボク、結構、食べますよ」

私「若いんだから食べなー」

何品かオーダーした後、
たわいのない話をしていると
注文した品が次から次へと運ばれてくる。

乾杯をしてから
宴がはじまる。

青年「僕、箸の使い方が下手なんですよねー」

私「気にしないで食べなー」

青年「これは?どうやって食べるんですか?」

私「ネギをのせて醤油を付けて食べるんだよ!」

青年は、言われた通り
ネギを箸で摘み、自分の皿に移すが、
途中でネギをボロボロと落とす。

私「(本当に下手くそだなぁ〜!)」

否が応なしに、その落としたネギに
目線が釘付けになる。

 

 

 

つづく…