つづき…

 

なまりが酷い大五の身体をみる。

典型的な腰落ちの体系だ。
座骨神経痛が出ても
仕方がない体型をしている。

仰向けになったり
うつ伏せになったりするだけで
痛そうにしている。

兎角、男は少々の痛みに
大袈裟に反応する生き物で
腕力や大口を叩く男ほど
意気地の無い小心者が多い。

身体を観ていると
そういう事が簡単にわかってしまう。

この大五もそのさえたる者で、
大工の腕も親父が言っていた通り
たかが知れている程度の実力であろう事が
垣間見れる。

大五を仰向けに寝かせて
当研究所で良く行う
足上げの体操をやってもらう。

この時も、
痛い!の、
かいゆい!の、と
小心者の大五がうるさい。

そんな小言は無視して
何度も足を伸ばしてもらう。
左右差を感じながら伸ばしてもらう。

やっぱり、痛いらしい。
小心者の顔が歪む。
本当に男はダラしない。

体操終了して直ぐに立たせると
「アレッ!今、直ぐに立てた?」
「何だ?これ?」
と、ダラしない男が驚いている。

足を使って腰を変えてあげれば
座骨痛も変化して当然なのです。

調子こいた大五は、
次は、右肩の不具合を主張してきた。

 

 

 

つづく…