つづき

 

 

肩の不具合を主張してきた大五は、
左腕を逆の右肩に回すようにして、
右の背中まで腕が届くのを見せつける。

続けて、
右腕を、同じように、
逆の左肩に回すように見せつけるが、
左腕のように背中まで腕が届かない事を主張してきた。

途中、再び、
意気地が無いところを見せる。

「アイタタ…右は上がらねーんだよ!」

大工の腕は半人前の大五だが、
どうやら自己主張は一人前のようだ。

座骨神経痛は、
右側の腰に出ていた。
その関係から右の肩にも
不具合が出ている事が
関連性から読み解くことができる。

仰向けに寝させて、
これも、よく使う体操だが
腕を使って肺を伸ばす体操を誘導する。

腕の角度を変えて、
手の向きを変えて、
引っ掛かりに合わせて、
末端である腕を使って
中心を変える体操である。

途中、「バキバキ」と
肋骨が剥がれるような音がする。

ひと通り、終わったので
立って再び同じ動作をさせてみる。

右腕も左腕と同じように
背中まで届くようになった。

「あっりゃ〜!」と
大五本人も驚いているが、
それを横で見ていた
中国人の奥さんも驚いている。

驚きながら奥さんが、
中国にいる結婚した
娘の話を切り出してきた。

どうやら、
腰を痛めているらしい。

日本から、
湿布だの塗り塗りするタイプの湿布?
などを買って送っているらしいが
改善しないという。

「(そんなの当たり前だろ!)」と、
思いながら、安易に物事を考えるのは
何処の国も同じか?と呆れたが

中国人からすると
日本の薬や化粧品の品質?が
良く見えるようだが、
所詮、誤魔化しのレベルには違いない。

コロナの自粛が解けたら
来日する予定だから診てほしいとの事。

「機会があれば診ます」とは返したが
どうなることやら。

 

 

 

 

おわり