60代男性
職業は大工!

私の父がまだ元気だった頃
実家の隣に住んでいたということもあって
この大工とは顔馴染みであった。

家のちょっとしたリホームや修繕の時に
色々と相談に乗ってもらっていたのが
この大工である。

この大工、
誰が聞いても、あからさまに、
なまりが露呈している話し方をして
素面でも酔っ払っているような
話し方をするのが特徴的。

私の親父はとても器用で、
軒下に潜ってシロアリ駆除の液体散布や
エアコンの取り付けなども
自分でできるほどだった。

そのため大工道具もかなり買い備えてあり
職人の腕を見極める目は素人以上に厳しかった。

その親父が、この大工のことを
「アイツは大工(九)じゃねーな!
大五がいいところだ。九まで行ってねーよ!」
とよく言っていた。

親父が言うくらいだから
その程度の腕前なのだろうが、

そんな大五と道端で久し振りに行き合った。
そうしたら、話の流れで「腰が痛い」という。
自分で「座骨神経痛だ!」と話してくれた。

座骨痛の程度は、
横になった状態から起き上がるときに
「いたたた…」となるくらいの
神経痛のようだ。

大五は、
「今は、コロナの影響で大工仕事が手薄だから、
今のうちに腰を治しておきたい」と言う。

「いつでもどうぞ!」
と、言ってその場をあとにした。

 

 

 

 

 

つづく…