前回の少々乱暴な意見を
後押ししてくれるような記事を見つけました。

今回の新型コロナウイルスの拡大は、
広い視野の生物学で見ると
また少し違う点が見えてきます。

とある生物学者の記事です。

『ウィルスとは、電子顕微鏡でしか
見ることのできない極小の粒子であり、
生物と無生物のあいだに漂う奇妙な存在だ。
「自己複製を唯一無二の目的とするシステムである」
と利己的遺伝子論的に定義すれば、
自らのコピーを増やし続けるウィルスは、
とりもなおさず生命体と呼べるだろう。

しかし生命をもう一つ別の視点から定義すれば、
そう簡単な話にはならない。

それは生命を、
絶えず自らを壊しつつ、
常に作り替えて、
危うい一回性のバランスの上に
立つ動的なシステムである、
と定義する見方

…つまり動的平行の生命観に立てば…

代謝も呼吸も自己破壊もない
ウィルスは生物とは呼べないことになる。

しかしウィルスは単なる
無生物でもない。
ウィルスの振る舞いをよく見ると、
ウィルスは自己複製だけしている
利己的な存在ではない。
むしろウイルスは利他的(注)な存在である。』

*(注)利他的(行動)とは、
進化生物学、動物行動学、
生態学などで用いられる用語で、
ヒトを含む動物が
他の個体等に対しておこなう、
自己の喪失を顧みずに
他者の利益を図るような行動のこと。

 

 

 

つづく…