つづき…

大竹
「議論は無く、言ってみれば、
羽田の方が近いから?便利だから?
っていう安易な発想なんですかね?」

杉江
「ちょっと考えてみれば、
私たちが海外に行った時に、
例えば、パリに行ったらシャルルドゴール空港が郊外にあり、
街の近くにもう一つ古い、昔の空港がある。
同じような状況で、
都心に近い方に便を(飛行機を)付けて欲しい!
なんて事は言わないですよね?
イタリアでも台湾でも郊外の空港に
国際線の長距離便が着くのは当たり前だと
思うじゃないですか?
今までの(国際線を利用する人)人が
成田は遠いから羽田にしてくれ!なんて事は
ほとんどの人は言わないんです。
電車で40分、バスで1時間で
都心に来ちゃうんですから、
世界の大空港はみんな同じくらい(のアクセス)です。
今回は、日本の政府が羽田が便利だから来てくれ!
って言ってるだけで、海外の航空会社や外国政府が
羽田にしてくれっ!ていう話があって
羽田の増便計画が始まった訳ではない
ところに今回の特徴がある」

大竹
「インバウンドも含めた国内事情が
大きく作用していて、それが理由で、
今までの羽田のやり方では賄い切れない?
そういう事ですか?」

杉江
「国土交通省はそう言っているんですけど、
今回の都心(羽田)ルートで、
年3.9万回発着が増えるというんですけど、
その中をよく聞くと、3.9万回のうち、
ほとんどは今のやり方と管制のやり方の改善でカバーできる。
今回問題になっている都心を飛ぶ着陸ルートと
羽田のB滑走路の川崎のコンビナートに上がる離陸の
この2つで僅か年1.1万回しか増えない。
これは、今の羽田空港の2.5%に過ぎなくて、
一方成田空港は、今、年間30万回の発着枠があって
現状は26万回で、4万回枠が空いている。
ですから、1.1万回はすっぽり成田で吸収できる。」

大竹
「羽田の方を使おうとすると、
都心上空を飛ばざるを得ないのは?どうしてですか?」

杉江
「現状は、千葉の方から東京湾を越えて来ていますが、
それだと今までの滑走と管制上のテクニカル的な意味で
複雑な問題が多いから、今回の計画のように
北から南に全部もっていった方が発着陸数を増やせるというのが
国土交通省の説明なんですが、
実際問題増えるのは僅か2.5%なんです。
こういう事を日本政府が言ったために、
早速デルタ航空が今年の春から成田は全部やめて
羽田に便を全部移してしまう。
それを他の大手の航空会社が聞いたら、
ウチもウチもと言っても羽田に移ってしまう。
そうなると、これを国が認めていたら、
いずれ羽田もパンクしてしまう。
だから水面下で行われているのは、
C滑走路の沖合に第5滑走路を作るとか、
そんな話が出ている。
世界の航空政策をみた場合に、
郊外の空港から都心の空港に
国際線をもってくるような航空政策は一例もない。」

 

 

 

つづく…