窓口にいる要領の悪い
女性駅員に近づき

「良かったら、私がホームまで案内しますが…」
と言うと、

女性駅員ではなく全盲の彼が

「駅員に案内してもらうので大丈夫です」

と、返してきたのです。

すっかり、
いい人気取りで
障害者の役に立てればと
勝手に思い込んでいた自分が
恥ずかしくなった瞬間でした。

障害者の立場で
よくよく考えれば、

見ず知らずの
声をかけできた人を信じて付いて行き
変なところに連れて行かれ
モノを盗まれたり、
暴行されたりする
可能性は捨てきれない。

また、障害者を狙った犯罪者がいない
とも言い切れない。

それに、通りすがりの私が
ホームまで案内できても
車内の座席までは案内ができない、
と考えても当然である。

(私なら、ホームにいる駅員に案内させるけどね)

これらの事を考えれば
彼が駅員に案内を頼んだのは正解で
賢明な選択といえる。

ちょっと出過ぎたマネを
してしまったのかもしれないと
少し後悔した。

 

ここからは、
全盲者の限りない可能性についての
個人的な意見だが、

五感のうちの視力を失った人は
それを補うための感性が
培われる環境にあると考えられる。

第六感だ!

だが、現実にはそう簡単な
状況ではないのかもしれない。

こういう人を狙う犯罪者がいるから
障害者も警戒しなければならないのであろう。

何とも
世知辛い世の中だなぁー
と、思ったのだ。

 

 

 

 

 

おしまい

 

 

たまに視覚障害者に声掛けすると、
明かにやさぐれていると感じる人がいます

こういう場合は
そっとしておく方が無難かもしれませんね…