猫のボランティアの任務を終えて
帰宅する際に、もう一度店に立ち寄ってみた。

私の後に来た
ガタガタの歯をした
爺ちゃん客も帰ったようだ。

社長一人で店終いをしている。

私「社長!さっきありがとうねー」

社長「おぉー」

店頭に並べてあるバイクを
一台一台、店内に片付ける
社長の後を追う。

店内の壁に、少し大きな鏡があった。
そこで、

私「社長!背中が丸いよ!」

鏡の前で、横向きの立ち姿を見させる。
鏡に映る自分の姿を見て

社長「本当だ!」

私「背中伸ばさないとダメだよ!」

社長「そーだなぁー」


「背中が丸くなると
腰も悪くなるけど、
問題はここ(と、言って指をさす)
頭がボケてくるぜ!」

社長
「まずいなぁ!」
「こうしないとダメだな!」

と、言って鏡を見ながら
背中を伸ばしてみせるのと同時に、
その瞬間に見せた雰囲気が
少々身に覚えがあるような雰囲気をのぞかせた。

私「社長!絶対に気を付けないとダメだよ」

社長「わかったよ!ありがとうねー」

自転車を修理してくれている社長の
手元や手順や立ち居振る舞いを観て
違和感を覚えたのは、
認知症、痴呆の問題だ…

前兆まではいかないにしろ
問題意識を持てて改善できる段階で
指摘しておくのも大切な事だ。

修正できるときに
治しておく。

「機会を逃すべからず!」

これも「私」と「社長」との
「距離感」だからこそ、
言う側も、指摘ができて、且つ
聴く側も、聞き入れることができるのだ。

この前亡くなった
9年間寝たきりの父は、
こちらが受けた違和感を指摘しても
全く聞き入れなかった。

自分で「おかしい?」と
思った時には既に手遅れで
寝たきりになるのまでが早かった。

「距離感(間合い)」と「聞く力」
非常に大事ですね…

「考える力」も大事だけど…

社長には、
私の自転車のためにも
まだまだ現役で頑張ってほしいですね!

おわり