メールを受け取った金曜の
午後一でN氏宅へ向かった。

部屋へ通してもらうと
めーちゃんが
横たわっていました。

部屋に中に差し込む
柔らかい初秋の日差しに
下半身だけが照らされ
頭は持ち上げることができず
お腹の動きだけが見て取れ
呼吸をしているのがわかる。

名前を呼ぶと
尻尾を動かして反応してくれる。
しかし、その動きも力無く
少し小刻みに震えているような
ぎこちない動きだった。

呼び掛ける私たちに
尻尾の動きを止める事なく
何かの合図を送っている。

猫は、
尻尾で様子をうかがったり
挨拶をしたり、
何かを感じたり、
反応する習性がある。

名前を呼んで知らん顔を決め込んでいても
尻尾で反応し、まるで挨拶をしているような
動きを見せてくれるのだ。

それを知らない人は、
「猫は無愛想だ!」
なんて言うが、
洞察する目がない証拠だ!

身体を動かしたく無い
めーちゃんも、
尻尾を使って反応してくれている。

以前に、訪れた時よりも
少し痩せたようにもみえる。

気になったのが、
臭いが無くなっていたのだ。
前に来た時は、老猫だけに、
独特の臭いが漂っていたが、
今回はその臭いが全く感じられなかった。

か弱く呼吸する身体を
呼吸に合わせながら、
何度も優しく撫でて
「(これが最後かなぁ〜?)」
と思っていた。

死期が近くなると
撫で方ひとつで息苦しく
感じるものなのだ。

死期が近い小さな動物を触る時は、
呼吸を乱さないように
触らなければなりません。

仕事の時間が近づいてきたため
Nご夫妻とめーちゃんに
挨拶をして、その場をあとにした。

仕事を終えて帰宅し、
いつも通り玄関を開けて中に入ると、
ウチの箱入り娘のハナ(メス猫)が
お帰りのスリスリの挨拶はほどほどに
何かを感じたのか?
「ニャー!ニャー!」
と勢いよく鳴き出したのだ…

いつもはこんなに
「ギャーギャー」
鳴かないのに…

この時ばかりは、
うるさいくらい鳴き続けていた。
その異変を見ながら、
「(めーちゃんの事を感じてんのかな?)」
と、考えていた。

動物は、
人間が見えないモノや
人間が感じないモノを
感じることができるので、
昼間にめーちゃんに会ってきたことなど
お見通しなのであろう…

つづく…