つづき

 

「(単独事故か?)」と思い、

星灯りと月灯りしかない
三浦の山道は、行き交う車も少なく
どう見ても、事故直後?のようであった。

暗闇に人が立っているのが
すれ違い様に確認できた。

ただ、そのシルエットからは
性別は確認できない。

人気がない山道畑道なので
怪我人がいないか?心配になり、
20〜30メートル通り過ぎてから
車を止めて、様子を見に行くことにした。

とは言っても、

事故を装って誘い込む
新手の追い剥ぎか?

はたまた、
北朝鮮の人さらいか?

油断せず、いかなる状況でも対処できるように
心持ち身構えて近寄る事にした。

 

「(ちょっと待てよ…)」

 

と、その前に、

現場は、アップダウンの勾配もあり
曲がりくねっている山道畑道。
そして、街灯はない。
あるのは、各自の車のライトだけ。

自分の車を停めた位置によっては、
後続から現れた第三者の車を巻き込んで
二次被害になりかねない。

今一度、自分の車の停車場所が
色々な意味で安全な場所であるかを確認し、
ハザードは点滅させてライトも点灯し続けて
後続から来る車に注意を促すことにした。

 

事故車両に近づく際、
地元でいつも野良にご飯あげる時に使用している
防災用のコンパクトライトが役に立った。

私「大丈夫ですか?」

男性「一応、大丈夫です!」

どうやら、事故当事者は、
男性一人のようで、
受け答えをしながら左手小指を
気にしている様子が見えた。

 

 

 

つづく…