ラオスの山岳少数民族の
腸内細菌を調べてみると
その結果は驚くべきもので、
珍しい腸内細菌が多く存在
している事がわかったのです。
調査チームのスタッフが、
「ラオス人は、プリボテラ属の
細菌がかなり多く持っている」
つづいて、
「これは先進国の研究ではあまり出てこない細菌です」
という。
プリボテラ菌は、欧米人などでは
あまり見られない細菌だが、
ラオスの少数民族は
全腸内細菌の20%以上を
プリボテラ菌で構成されている。
プリボテラ菌は、
ご飯などの糖質が大好きで、
それを食べて短鎖脂肪酸
という物質を作り出します。
短鎖脂肪酸は、
脂肪の燃焼を促し肥満を予防し、
免疫力の働きを良くして、
動脈硬化や糖尿病の予防に
なることがわかっています。
かつての日本人は、
ラオスの山岳少数民族と同じように
腸内細菌の中にプリボテラ菌が
存在していたと考えられています。
しかし、現在の日本人は昔のように
米を食べません。
そこで、現代の日本人50人の
腸内細菌を調べたところ、
プリボテラ菌の割合は
平均、全腸内細菌の7.5%と
減ってはいるものの、
プリボテラ菌が先祖から
受け継がれていたのです。
デンプンの塊である米を主食に選んだ祖先は
食べ続けることで、
「太りにくい遺伝子」を獲得し
「健康を守る腸内細菌」を授けてくれて
「第2の食の大革命」を
引き起こしていたのです。
つづく…