つづき…

同窓会に参加して
「面白くなかった!」
という印象が芽生えてしまうと
次回は参加しなくなるのは
よくある話。

この点は、
痛いくらい
自分にも当てはまる事だと
重々わかっていた。

気を使うわけでは無いが、
恐らく高校時代は絡みがなかった気さくな彼と
卒業アルバムを見ながら話しているうちに
会話も弾み楽しさが加わってきた。

キッカケは、
1人で卒業アルバムを見ている彼に
「参加してつまらなかったら」という
気持ちになってもらいたくなかったのだ。

開始時刻になり
奥のスペースに通され
会が始まる。

挨拶もそこそこに
乾杯が済み、
フリートークの時間が再び訪れる。

気さくな彼と
高校時代に面識がない事が
かえって、とても新鮮に
とても自然に会話をする事ができた。

その要因には
気さくな彼の会話が
非常に上手だった点が挙げられる。

話によると気さくな彼は
大手の製作所の子会社に勤める
サラリーマン一筋の人生だ。

それに比べると
紆余曲折の生い立ちを送ってきた
私の人生が面白いらしい。

「卒業して何してたの?」

「えっ!」

「そんな事も!」

「えっ!」

「格闘技?」

「えっ!オランダ?」

「全然見えないんだけど…」

「全然、普通の人生じゃないね!」

気さくな彼との会話で
しかも、この年齢だから感じたのかもしれないが、
改めて自分の生い立ちが
普通では無い、
お金では歩めない、
誰にも真似できない
独自の人生である事に
他人事のように少し違う角度から
客観的に感じている自分がいた。

不思議な感じだった…。


「映画5、6本撮れそうな人生だねー!」

本当にその通りなのかもしれない。

 

 

 

 

つづく…