出入り口の騒がしい雰囲気に振り向くと、
小学校低学年の男の子と
その下の妹であろう子が、
勢いよく店内に走り込んで来た。

直ぐに、目線を戻して
仲間の話に耳を傾けていると、

再び、入り口の扉が開く音がして、
その子供達の若い母親とその親であろう
お爺さんが入ってきた。

お爺さんといっても
背は高く、背筋は伸びていて
まだまだ元気なお爺さん風だ。

先に入ってきた子供達が
勢い良く陣取ったのは、
私達の隣席の奥座敷。

母親らしき人と
背筋が真っ直ぐ伸びた爺さんも
歩いて子供達の後につづく。

3代家族が、隣の席に
やってきた。

子供達の父親らしき人物と
お婆ちゃんらしき人物は
その後、店内に入ってくる気配は無かった。

元気で勢いのある子供達が
隣席の座敷にいるもんだから、
うるせ〜の何のってっ…

余裕の無かった若い時分であれば
ドヤしていたところだが、

その騒がしい子供の声も
今の自分には
さほど気にならない。

そんな周囲に気を取られている
私のことなどいざ知らず

合流した友人は、
親の相談事を話し続けている

意識を友人に向けようとすると
何故か?周辺の空気が変化していくのを感じた。

「(ん?)」

目の前の友人の話は
右から左で
思考回路に入ってこない

それよりも、
変化していく周囲の空気が気になり
そちらに意識が向いてしまう。

その瞬間、
あり得ない異変に気が付く…

「(おやっ?)」

 

 

 

 

つづく…