自転車で広い公園の脇道を走行中
若い女性が、公園側に立つ
電信柱の下を覗き込んでいるではありませんか。

「(ん?野良猫の保護活動でもしているのかな?)」

自分と同業の人かな?
と思いきや、

女性「大丈夫ですか?」

と、声を掛けている。

よく見ると、顔が血だらけになった
横たわる男性に声を掛けているではありませんか。

私「(女性に)どうしたんですか?」

女性「人が倒れていて…」


「(そりゃー見ればわかるけど)
旦那さん!大丈夫ですかー?」

60代半ばくらいの
血を流し倒れている男性に声をかける。

私「(もしかして…)」

色々な可能性を考えて、
傷の状態、
出血の量、
衣服の乱れ、
横たわっている状況等を
瞬時に判断し、
何故こんな状態になったのか?を推測する。

私「大丈夫ですか?」

遥か彼方で声が聞こえたのか?

60代男
「ん?…」

朧げながら目を開けているような?いないような?

私「大丈夫ですか?」

60代男「あっ…」

(起き上がろうとするが起き上がれない60代男)

60代男「んっ!ダメだ…手を貸してくれ!」

そう言って、私に右手を差しにべる。

私「(やっぱりな!)」

何故、血を流しながら倒れていたのか?
理解できた私は、
何だか、その手が凄く汚く思えて
手を貸す気にはなれなかった。

私「公園の手すりにつかまって起き上がってみて下さい」

60代男「ダメだよ!立てないよ!」

それを聞いて確信に変わった。
この辺で、血を流して、
倒れている奴と言えば…


「(やっぱりな!)無理して立たない方がいいですよ!
頭に異常があると危険ですから」

都合よく、分かっているようなことを言うが
単に手を貸したくないだけの私

 

 

 

 

 

つづく…