医学より広い視野の生物学でウイルスをみた場合、
ヒトに及ぼす影響を考えるのであれば、
ヒトが種として進化するために必要な存在といえる。

ここは非常に重要で
実際に、歴史がこれを物語っています。

ペストや天然痘でも
たくさんの人が亡くなりましたが

それによって、
人類の歴史が激変し、
進化した史実が存在します。

ペスト時代のヨーロッパでは
封建制度から議会制民主主義へと
発展する足がかりになったり、
身分制度が無くなり
下流階級の地位が向上したりと

現時代の原点を作り出すきっかけも
感染症、ウイルスがきっかけに
なっているのです。

更に重要なポイントは、
ヨーロッパに広がったペストも

日本に広まった天然痘も

実は、中国からなのです。

物と人の行き来が
疫病も運んで人類の歴史をも
変えてきたのです。

それでは、
今回のパンデミックをどう捉え、
ヒトの未来や種として
何を考えていく
必要性があるのか?

自ずと答えが見えてくる
のではないでしょうか?

とはいうものの、
生物学より狭い医療の最前線で
今、何が起きているのか?も
知っておく必要性がある。

予想通り、
日本より先に新型コロナの
泥沼に陥ったアメリカ。

これに対してほとんどの日本人は
「やっぱり!」と思った事でしょう。

そんな感染拡大が顕著なアメリカの最前線で
感染症専門医として勤務する
日本人医師に話を聞いた内容です。

『→現在状況を教えてください。

700床ぐらいの大学病院で、感染症の指導医
(臨床と研究を通じて医学生などを教育する医師)
という立場で新型コロナの患者をみています。

これまでのところ、
呼吸困難で酸素吸入は必要だが、
人工呼吸器を使うまでには至らない
初期段階の症状なら、
ヒドロキシクロロキンと
アジスロマイシンなど、
ある程度効く薬があると分かりました。

しかし一度重症化したら、
薬はほとんど効果がありません。

治験段階の薬はいくつかありますが、
どれも正直なところ大きな効果は見られてない。
中国や欧州から研究レポートが
どんどん上がってきているのですが、
どの研究でも重症化した段階での
薬や治療法には決め手が見つかっていません。

このウイルスの重症化のメカニズムは、
まだはっきりとは解明されていません。

そうなるともう対症療法しかない。
呼吸困難になったら人工呼吸器に繋いで、
それでもだめなら体外式膜型人工肺(ECMO)
を使って、治すというよりも
症状をなんとか緩和する。
その後は患者の治癒力頼みです。
(→やっぱり自分の免疫力、治癒力大事ですね!
医学も医療もそれはわかっている!)

そして残念なことに、
人工呼吸器に繋いだ患者で
「戻って来た」人はほとんどいない。』

 

 

つづく…