ブルーアイランドからの抜粋です。

『自分でも何が何だか
さっぱりわからないのですが、
私は必死になって手引きして、
大きな乗り物とおぼしきものに
案内してあげました。

やがて、全てが終了しました。

まるで得体の知れない
乗り物が出発するのを
待っている感じでした。

言わば、
悲劇が完了するのを
待っていたようなものです。

ボートで逃れた者は
もちろん生きて救われました。

が、溺死した者も
相変わらず生きているのです。

そこから妙なことが起こりました。

その得体の知れない乗り物…
と言うよりは、
我々が落ち着いた場所全体が、
いずことも知れぬ方向へ
ゆっくりと移動を始めたのです。

そこに集まっている人たちの情景は、
それはそれは痛ましい限りでした。

死んだことに気づいた者は、
あとに残した家族のことと、
自分がこれからどうなるかが
不安のようでした。

このまま神の前に連れていかれて
裁きを受けるのだろうか…

どんな裁きが下されるのだろうかと、
怯えた表情をしておりました。

精神的ショックで、
茫然としている者もいました。

何が起きたのかもわからず、
無表情でじっとしています。

精神が麻痺しているのです。

こうして、
新しい土地での評決を待つ
不思議な一団が
そこに集まっておりました。』

 

 

 

 

つづく…