最近では、
エンゼルスの大谷選手が
肘の故障から靭帯を再建する手術のことで、

野球をやらない一般の人でも
聞いたことはあると思います。

一般的には、
若い時からの投げ込みからくる
肘の故障というイメージが強いですが、

どうやら、現実は違うらしい ←ここ大事!

その前に、余談ですが、

「一般的」
というキーワードが出てきたときには、
風評の要素が有るのか?無いのか?
見極める注意が必要です。

つまり、
投げ込みからくる肘の故障からという考えは、
完璧に、米国発の風評のようですね!

その前に、
トミー・ジョン手術とは
1974年にフランク・ジョーブ博士によって
考案されたヒジの靱帯再建手術法のことで、

初めてこの手術を受けた
ドジャースの投手トミー・ジョン
にちなんでこう呼ばれる。

(興味ある人はググって下さい)

昨年7月、米国でデータが公表された。
アメリカで開幕ロースター入りした全投手に関して、
過去にトミー・ジョン手術を受けた数を調査したところ、
全体の約34.4%にも達していたそうだ。

日本のプロ野球では、
昨季最後に出場選手登録されていた
日本人投手を調べてみると、
靭帯移植手術を受けた割合は、
わずかに4.4%だった。

つまり、
靱帯再建手術の割合が、

米は、34.4%で

日本は、4.4%

この差を色々な方面から分析すると、

日本では、
・手術よりは温存療法がとられている。
・高校野球を含めて、連投連投の投げ込みが行われている。

米国
・投げ過ぎが原因で肘が壊れると考えられている。
・連投させない
・選手の投球フォームの個性を生かす

名門エール大の出身で、
引退後は医学の道を志すといわれる
クレイグ・ブレスロウ(レッドソックス)に
日米で、この差(肘の再建手術の割合)
が生じた解釈を求めると

「準備やケアの違いもあるのだろうが、
身体の違いも関係しているのではないか。
投球フォームなんかも含めて、
一度きちんと検証すべき問題だと思う」と答えた。

また、100マイル(160キロ)近い快速球を投げる
カブスのジェフ・サマージアは、
日米の投手の違いを尋ねると
「投球フォームの差だ」と話した。

続けてサマージアは、
「日本人投手は総じて、
肩や肘に負荷のかからない、
きれいな投げ方をしている。
黒田(広島)の投げ方とかは本当に無理がない。
故障が少ないのはそこに理由があるような気がする」
と話す。

お気付きですか?

ここで矛盾が生じる。

日本のプロの投手なら誰もが経験している
「連投」や「投げ込み」が
肩や肘に負担がかからない投げ方になっている現状がある。

「投げ込み」をする事で
理想のフォームを目指し、
試行錯誤しながら、
ぶれない安定したフォームができていく

正に、

①量質転換と②対立物の相互浸透の法則である。

・量質転換

投げ込む球の量を増やしてフォームの質を高上させていく

・対立物の相互浸透

投げ過ぎず身体を守ろうという(投げ込まない)考えと
投げ込んで身体が壊れるかもしれないという(投げ込む)考えとが
合理的なフォームを試行錯誤する事で相互浸透して、
結果的に向上していく

米国では、
「肩を壊す」とされている悪評の「投げ込み」が、

日本では、
結果的に質が高まり選手の身体を守る
投げ込み」になっているのだ。

つづく…