横断歩道手前で立ち往生している視覚障害者と、
二言、言葉を交わした後、
母親と思われる視覚障害者は、
私の二の腕を後ろから掴んだ。

僅かな会話のやり取りの後、
横断歩道を一緒に渡ろうとすると、
周囲から凄く視線を感じる…

私「(何だ?この視線?刺さるな〜!)」

まるで、視覚障害者を狙った新手の人さらいが現れたような、
熱い視線を多方面から痛いくらい感じたのだ。

私「(まぁ…確かに職質はよく受けますが…人さらいではありまへん)」

そんな日本人特有の「社会」には冷淡な、
他人の熱い視線を払いのけ、
行き交う車を威嚇するように得意の容姿で止めて?

違う!違う!

お願いする様に、手を上げて、丁寧に車を止めて、
横断歩道を渡ったのです。

渡ったところで、
私「どちらに行きますか?」と尋ねると、

腕を掴んだ僅かな時間で、殺気でも感じたのか?
人さらいの危険なオーラを察知したのか?

視覚障害者
「ここで結構です…ありがとうございます」
と、答えたのです。

地元の使い慣れた道のようで、
危険な横断歩道だけを渡れれば、
あとは大丈夫のようでした…

困っている視覚障害者を見かけた際は、

「良かったら腕を掴んで下さい!」と
声かけするだけで大丈夫ですので…

「何か?手助けしてあげたい!」
と、思っていても、
どう?接してイイのか?
わからない人もいると思いますが、

ハンディーキャップを持った人が
危険に晒されそうな時は、
優しくひと声かけて、
「さらって」あげて下さい。

違う!違う!

一声かけて見守ってあげて下さい。

声掛けした障害者の中には、
予期せぬ返事を返す人もいますが、
凹まないで優しく見守ってあげましょう。

経験上、たまに、憎まれ口を叩く障害者がいます。

そういう時は、教科書通り、
後ろから拳固喰らわしてやります。

また、そういう奴に限って、気を読むのが鋭いので、
白杖で返り討ちに合わないように気を付けます。
会心の一撃は結構ダメージが大きいです。(笑)

冗談はさておき…

あっ!心無い言葉を返してくる障害者は本当にいます!

お気になさらないように…

彼らは、白杖で歩く練習をする際に、
同行して付き添ってくれる人の腕を後ろ側から掴んで、
付き添いの人の半身後方を歩きながら訓練をします。
掴んだ腕の僅かな動きを読んで、
段差を上ったり、下がったりを察知しているのです。

視覚障害者は、腕を掴んで歩くことが、
「技化」されているのです…

自立して生きていくために…

追伸

視覚障害者だから、
よく職質受ける容姿の私でも役に立てたのでしょうね。

皆さんは?大丈夫ですか?

(一緒にすんじゃねーよ!)

と、聞こえてきそうですが…

視覚障害者は、不運にも5感のひとつが使えない状態ですが、
他の4感は、健常者以上の感覚を持っている人がほとんどです…

中には科学や医学の常識を超えた能力者も…

無いものを補おうとする身体の働きは、
常識を超えるのです。

それが生きている動物の機能という事になります。