野村監督は、民間企業の
いわゆるアマチュア野球部の
監督を請け負ったことがあった。

シダックスの監督である。

この時の取材で以下のように答えている。

「監督業というのは気付かせ屋だと思っているから、
(色々)気付かないことが多いじゃない、
特にこうして平和な時代になると
大事な事が身に付かないっていう代表的なのが
感性だと思うんですよ。
苦労とか貧乏とかそういう時の
精神的にハングリーっていうのは
いろんな事に感じ取る力がある」

 

これは、正に、「感じる力」ですよね。

 

この後、野村監督率いるシダックスは
都市対抗東京都予選において
初戦で優勝候補の一角、
東京ガスと対戦する。

当時の東京ガスにはエースである
のちに巨人に入団する
社会人ナンバーワンサウスポーの
内海がいた。

ここから野村監督の内海攻略がはじまり
打撃練習の際には一層熱が入る。

これが功を奏し、
蓋を開けてみれば、
一回で内海を打ち崩し
8回11対0のコールドで優勝候補の
東京ガスを下す。

この快進撃は止まらず
予選を突破して
3年ぶりに都市対抗に出場が決まった。

野村監督は
感性」を大事に
野球で結果を出してきた名将といえる。

「感性」=「感じる力」が
如何に可能性を引き出すのか?
お分かり頂けたと思います。

力が外に逃げている身体では
「感じる力」が優れているとは言えない。

やはり、
「感じる力」が優れている状態は、
身体の中心に力が集まっている
正座のメカニズムが有効といえます。
(著書参照)

 

この後、
野村監督は楽天の監督に就任し
リーグ優勝を果たしものの
監督解任を言い渡され、
クライマックスシリーズの
ファイナルステージで敗れて
監督業に終止符が打たれる。

その敗戦後の球場で
楽天の選手と対戦相手の日本ハムの選手が
一緒になって野村監督を胴上げした。

敵味方の垣根を越えて
胴上げされた光景は
プロ野球史上
初めての光景だ。

 

名将には
敵も味方もありませんね。

野村監督は野球の名将でしたが
野球を通じて話す内容が
身体の本質的構造と通じるものが
たくさんありました。

非常に勉強になりました。

 

やはり「本者」は違いますね!

 

同じ時代を生きれた事に
「感じて」「謝ること」で表現するならば

「かたじけない」

に尽きるだろう。

心よりご冥福を御祈り致します。

 

 

 

おわり