知ってか?知らずか?
そんな私を尻目に
自分の親の話をし続ける友人

今思い出しても
何の相談だったのか?
見当も付かない。

それも仕方がない。

今の自分にとって
もっと重要な出来事が目の前で
起きてしまったのだから…

目の前で相談事を話し続けている
そんな友人に割って入るように、

私「なぁ!今、線香の匂いしない?」

少し考えて

友人
「ここ中華屋だぞ!する訳ねーだろ!」

友人の言うことは
ド正論である。

三代家族が入店してから
空気感が変わって
雰囲気が変わった時点で
ある程度、予測はしていたが、

間違いなく
自分だけが感じている
心地イイ線香の香り。

そのまま、
私だけが?線香の香りに包まれ
時間だけが過ぎていく。

心地イイ妙な感覚と空気感を味わっていると、

どのくらい時間が過ぎたのだろうか

入ってきた時と同じように
隣の子供達が騒ぎ始めたかと思うと席を立ち、
靴を履いたかと思ったら
大声を出しながら一目散に
出口へ向かって走り出した。

油で滑りやすい床なのに
私「(危ねーなぁー)」
と、思いながら子供達の雰囲気を追った。

口うるさい爺さんが会計を済ませる脇で
娘が財布を出す気配も見せず、
爺ちゃんの会計のやり取りを見守る。

最後まで、
旦那らしき人物と
お婆ちゃんらしき人物は
現れなかった。

隣の座敷に座った
3代家族は帰っていった。

私にとっては
貴重な体験であった。

 

また、別の日

 

 

 

つづく…