でも…

23年前、
貧しいときに助けてくれた義父が
自宅で突然倒れ、
80歳で亡くなってしまった。

遺影カメラマン曰く
「お父さん(義父)が亡くなったとき
写真を1枚も撮っていなかった。
私自身に中で、『お父さんお世話になりました』
という気持ちで撮った写真で最後にしたかった。
そして、僕が撮った写真を飾りたかった」

という。

お世話になりっぱなしであった
お父さん(義父)の遺影写真を
撮っていなかった事を深く後悔したのだ。

同じ悔いは残したくないという気持ちから
直ぐに実家の山口に帰って
自分の両親の写真を撮ったのだ。

それが、初めて撮った
遺影写真になった。

遺影カメラマン曰く
「僕にとっては宝物(両親の遺影)、
本当に宝物になっちゃった。
この写真があったら(両親が元気だった頃の笑った写真)
「おはよう」って言ったら親父の声が響いてくるわけ。
これは、凄いな!と思って、
こういう写真を撮らせてもらうと
きっと喜んでもらえる!」

と思い、

「遺影写真を本気でやろう!」と
決心したきっかけになったのが
親父とお袋を撮ったときだという。

どんな賞をとるよりも
人の心に残る写真が撮りたい
と、思うようになったという。

60歳を区切りに商業カメラマンを辞めて
残された家族が1番見ることになる1枚を撮るために
遺影写真専門のカメラマンになったのだ。

 

 

つづく…