つづき

 

ある日突然、思い立ち、
若い時に働かせてもらっていた
肉屋さんに行くことになったのです。

もちろん、肉の仕入れが目的なのですが、

何十年ぶりくらいに
社長を見かけるなり、
相変わらず元気で
背中も真っ直ぐで
昔とは変わりがない様子に思えたが、

ちょっと違う印象も垣間見れたので、
よく見ると…

毛がない。

ニットをかぶっていたので
頭髪は分からなかったが、

昔、働かせてもらっているときは
間違いなく、髪はフッサフサで黒々していた。

今回、毛が無いというのは、
顔の毛がないのだ。

眉毛がない。

話を聞くと、
どうやら大病をしたらしい。

大病して、毛が無いとなると
大病が何なのか?
相場は決まってくる。

現在、社長は、80歳で、
家業の肉屋を営みながら
今も治療を続けているらしい。

久々に再開して大病の話題が出たら
今の私の職業柄、血が騒ぐのは必然である。

ことの発端は、17年前の事らしい。

毎朝起きてから
タバコに火を付けて
目覚めの一服を決め込むのだが、

胸が締め付けられるような
凄い息苦しい感じの症状が
毎日、立て続けにおきたという。

だけど、その症状は、
朝の一服の時だけで
その後のタバコでは同じような現象は
起きなかったという。

そんな中、タバコを吸いながら、
同じタバコを吸う仕事仲間に
話をしたところ

 

 

つづく…