縁あって野良猫の保護活動を
しているのはご承知の通り。

毎日、ご飯をあげにいく猫がいるのだが、
生粋の野良で非常に頭の良いメス猫です。

野良は頭が良くないと
生きていけない。

今では、合図を送ると
遠くから駆け寄ってくるまで懐いたが
当初は、敵意剥き出しで
ご飯を持って来た恩人の私に向かって
「シャーシャー」威嚇して鳴いていた。

場所は、東京と埼玉の県境にある川の土手で
そこが気に入って住みついているようだが、
実は猫にとって土手は、
餌場としては最悪のロケーションなのだ。

そんな理由からご飯をあげにいく訳だが、
その日も、いつものように橋を渡って
土手沿いに入っていこうと思ったら、
見かけない高齢者のオッサンが橋のたもとから
釣竿を垂らしているではありませんか。

「(こんな所で?何?釣ってんだ?)」
と思いながら昔の思い出が脳裏をよぎる。

実はこの川、私が幼少時の頃
川沿いに隣接する工場からの排水や
下水道が整備されていない家庭からの
生活排水などにより「日本一汚い川」とまで
噂が流れたほどの川で、
背骨が「く」の字に曲がっている魚が
よく泳いでいたのだ。

そのため魚屋に並べられている
真っ直ぐになって寝ている魚をみると
不思議で仕方がない記憶があったのだ。

それから時が経つに連れて、
社会的に環境問題が問いただされ
川は少しづつ綺麗になっていった訳だが、
そんな記憶が根強く焼き付いているため
見知らぬオッサンが何を釣っているのか?
気になった。

 

 

 

 

つづく…