もうひとつの小さい
米粒大の出来物が
猿猫の首後ろに
残っていた。

幾分、萎れたようで
1週間前よりも、
確実に小さくなっているのがわかった。

「(先週より小さくなっている。
やっぱり野良の力は凄いなぁ?)」
こっちも摘んでみるか?)」

と思い、
同じようにビニール袋に
手を入れて、摘んで、引っ張った。

が、抜けないし、潰れない。

冬仕様の毛が鬱蒼としているので
間違えて毛を抜いてしまう。

その都度、
猿猫が後ろを振り返って
「(痛いなぁ?何すんだよ?)」
という顔をしている。

「(痛かった?ゴメン!ゴメン!)」と
こんな感じで謝りながら → (^^;;

もう一度、摘んでから
引っこ抜く事に集中する。

この時は、気が付かなかったが
摘むだけでなく、
何故か?引っこ抜く事に執着していたのだ。

「おっ!抜けた!」

「何だ???」

よく見ると、
特撮怪獣モノ映画に出てきそうな
エイリアンみたいな?顔が付いている。

「あれ?」

「あっ!マダニだ!」

先週、大きな膿みだと思って
潰した出来物の正体は
マダニだったのです。
これが、人生初めての御対面。

ちょっと
感動したような?
驚いたような?
複雑な感情が湧き起こりました。

マダニと言えば
未だ特効薬がない
日本でも年間数十人が亡くなり
今年都内でも犠牲者が出た
SFTS(重症熱性血小板減少症候群)の
感染源である。

マダニ全てが
SFTSのウイルスを持っている訳では無いが、
危険である事には変わりはない。

以前、マダニのSFTSに感染した猫に
猫パンチくらって死亡した例が
新聞の記事になっていた。

猿猫が感染していれば
全く同じパターンだ!

でも、猿猫は凶暴じゃないので
猫パンチしてくる可能性はほぼ無い。

なので、ちょっかい出さなければ
大丈夫!

つづく…