そんなある日、
コタにご飯をあげていると、
携帯が鳴った。

松田からだ。
(著書参照)

何度も振り返り、
同じ場所を気にするコタを目の前に、
電話に出ると、

松田
「忙しいのにすみません、電話大丈夫ですか?」

私「大丈夫…」

松田「何処にいるんですか?」

私「土手で、猫にご飯あげてる」

松田「何これー!何かいるー!」

私「猫いるよ!」

松田「猫じゃないのがいる」

私「あぁぁ…いるかもねー」

松田「何?これ?スッゴイ重い…女の人じゃないね。男の人だね」

私「地縛の類ね!気に入ってるから、そこに居るんじゃない?」

松田「よく平気ですね…」


「全然平気!元の世界に戻るなら手貸すが…
男じゃなぁ〜貸す気しないなぁー」

松田「この感覚、久々だわー」

私「たまには、地縛気分も良いもんだろう?」

松田
「何言ってるの?(笑)最近、こういう感覚無かったから、
無くなったのか?と思ってたけど、そうでもないみたい」

私「だから、たまには地縛気分も良いもんだろ?って」

その間、
コタがご飯を食べ終えたので、
ゴミを残さないように片付けて、
その場から離れると、

松田
「何とかしてあげれば?」

私「本人にその気が無いなら無理だろ」

松田
「何か、さっきの重たい感じが薄れていくみたい」

私「食べ終わったから、現場から離れているから」

松田「何か、もう少しって感じー」

自転車で土手にかかる橋の坂を下ると

松田「もう大丈夫だ!何だか凄かったねー」

私「あっそ!」

つづく