朝早い新幹線の中での出来事です。

車内は、まばらな客足で
混み合ってはいない。

自分が座る席の隣に、
白髪混じりのゴルフクラブを持った中年男が
私より先に通路側に座っていた。

いつも私は、席に着くと、
背もたれに付いている
上下にスライドできる枕のようなものを
直ぐに取り外す事にしている。

これを付けて座っていると
首がおかしくなるからだ。

身体の構造を知らないJRの素人が
上っ面の親切で取り付けたのだろうが、
迷惑な付属品だ。

首や肩に問題を抱えている人は
注意が必要だと思う。
長旅でこのスライド枕を使用していると
現地に着く頃には首に異常をきたす可能性がある。

この迷惑な付属品が便利に感じる人は
腰が落ちている傾向にある事が想像できる。

そんな迷惑な付属品を取り外している作業が気に障ったのか?
それとも、よく職質を受ける私の容姿が
あまりにも素敵!?だったのか?

よく分かりませんが…

隣の中年男は、ガラ空きの通路を挟んだ
反対側の席に移動していったのだ。

こちらも、
そんな状況に好機と思い
悠々と座っていた。

出発早々、
車掌から携帯電話の使用についての
アナウンスが始まる。
このアナウンスの音量が客のことなど全く考えていない
義務的な自己満足の耳障りなアナウンスだ。

しばらくすると、
次にワゴンカーの売り子の女性が
入ってきた。

車両ごとに、入る前と、出る前に、
声を出すように教育されているのであろうが、
「失礼致します」の声がやけにうるさい。
これも、ただ出せばいいだけの自己満足の音量だ。

静かに寝ている人もいるであろう車内で
叩き起こすような場違いのような音量で挨拶をする。

丸出しである。

朝から落ち着かないと
思っていると、

通路の反対側に移動していった
白髪の中年男が
息荒く、ため息を連発している。

このため息を聞いているだけで疲れてくる。

何か?忘れ物でもしたのか?
考え事でもしているのか?
接待ゴルフの相手が強者なのか?
ため息をする度に
近隣の空気を重たくさせる。

こういう人間は、いくらゴルフをやっても
良いスコアなど出せる訳がない。
呼吸の乱れは腰が安定せず
身体を捻る運動にムラが出るからだ。

こういう中年男に限って
知識やウンチクがうるさい輩が多い。

明らかに上司や部下、
仲間にもしたくない身体の持ち主だ。

一緒に生活している家族が気の毒に思えてしまうが、
似たような伴侶が脇に居るのか?
とも考えてしまう。

呼吸ひとつで簡単に人間性が
プロファイリングできる。

改めて、
呼吸が、大事である事を
肌で感じる。

そうかと思うと、
前に座る初老のお爺ちゃんは、
死んだように静かである。

僅かな座席の隙間から見える
肩の動きで呼吸が深いことがわかる。

長生きの身体に間違いない。

こういう人が隣にいると楽である。
全然疲れない。

朝から落ち着かない新幹線かと思いきや
前に座る、初老に救われた気がした。

(そんなに周りを気にして大変じゃないですか?)

大変だからといって
「ボーッ」とはしてられない。
気配を感じなければ有事の際は、
ヤラれるだけですからね…

色々な意味で、
長旅をする車内の雰囲気を
把握する事は大事だと思う。

呼吸ひとつで
周囲の空気を乱す奴もいれば
周囲を楽にさせる人もいる

明らかに、
運気を逃す奴か?
運を味方につけるか?
の両極端な身体である。

皆さんの側にいる人は?
どんな呼吸の人ですか?

呼吸は、無意識な深い呼吸に勝るものは無い。

今日も一日、
身体の中心に力を集めて、
気合入れて、
いきましょう…

ではでは…